黒板ジャック

武蔵美術大学の学生が、休み中の小学校に訪れて、児童に内緒で全学級の黒板にチョークで絵を描く「黒板ジャック」を行った。ジャック、と言っても無断で行ったわけではなく「アート作品で子供たちに驚きを味わってほしい」と学生らが発案した、同大学が小中学校で取り組むれっきとした美術交流の一環だ。登校した児童たちは「すごい、誰が描いたの?」「これ、チョークで描いたの?」とびっくりしていたようだ。全教室に違う絵が描かれているという校内放送が流れ、児童らは他の教室を見ていったそうだ。

作品は5色のチョークでリアルに描かれた目玉焼きとご飯の朝食や、8色のチョークを使った鳳凰、白色のみの細密画のような作品など。そんな作品も授業が始まる前には描いた本人の手で消されていった。「黒板だからこそ、あっという間に消えてしまう『刹那の芸術』の良さがある」という考えからだそうだ。

武蔵野美術大学は黒板ジャックのほか、小中高校に学生の作品を飾り、描いた本人が児童や生徒に解説する「対話型鑑賞プログラム」など美術を介した交流に取り組んでいるという。「朝、黒板に絵があっただけで、その日は特別な一日になる。表現は楽しいものだと伝えたい。学生にとってもチョークでどこまで描けるかの挑戦」ということらしい。「子供の表現が自由になった」との反響もあるようだ。子供たちにとっても、学生にとっても刺激になりプラスとなる取り組みのようだ。